僕の大好きな作品
「ゴーストインザシェル/GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」
が、ハリウッドに進出し、実写映画化されます!
…この作品、とんでもなく、良い作品です。
もともとは、原作者の「士郎正宗」による漫画作品であり、
これを原作とする劇場用アニメ映画が1995年に公開され、またテレビアニメ作品が2002年に公開され、
ハリウッド映画の名作「マトリックス」に大きく影響を与えた映画として有名です。スピルバーグも大ファンだと言われています。
詳しくはWikipediaにて
・・・
SF作品であり、
科学技術・サイバーテクノロジーがうんと発達した、未来の社会が舞台ですが、
その「未来の架空の社会」と、今我々が生きている「現代社会」と照らし合わせる事で、
現代社会への風刺とも思えるような表現が沢山浮かび上がり、学べる事が多い作品です。
まず、作品のテーマが深い学びとなるテーマです。
それに付随して、「名言」が沢山あります。
そして、ストーリーが進む中で、
キャラクターたちが発する言葉が、まさに名言ばかりです。人生に役立つ言葉です。
また、単純にアクションがかっこよく、「学び」「メッセージ性」を抜きにしても、見応えのある作品です。
音楽やBGMもかっこいいです。
…このように、多角的な意味をもった作品を作られた原作者の「士郎正宗」は、まさに天才だと思っています。
・・・
「SFアクション作品」としてこの作品を見てファンになり、
見て行くうちに、この作品の奥深さを知り、
『作品のテーマ、メッセージ性などをもっと深く知りたい!』と思った方は多いかと思います。
ぜひ、このハリウッド進出を機に、
もっと沢山の人にこの素晴らしい作品に触れて頂き、
もっと沢山の人がこの作品を深く理解するための、手助けをしたいと思い、筆を執っています。
Contents
[su_heading size=”19″ margin=”10″]「ゴーストインザシェル/攻殻機動隊」の概要・あらすじ[/su_heading]
時は21世紀、第3次核大戦とアジアが勝利した第4次非核大戦を経て、世界は「地球統一ブロック」となり、科学技術が飛躍的に高度化した日本が舞台。その中でマイクロマシン技術(作中ではマイクロマシニングと表記されている)を使用して脳の神経ネットに素子(デバイス)を直接接続する電脳化技術や、義手・義足にロボット技術を付加した発展系であるサイボーグ(義体化)技術が発展、普及した。結果、多くの人間が電脳によってインターネットに直接アクセスできる時代が到来した。生身の人間、電脳化した人間、サイボーグ、アンドロイド、バイオロイドが混在する社会の中で、テロや暗殺、汚職などの犯罪を事前に察知してその被害を最小限に防ぐ内務省直属の攻性公安警察組織「公安9課」(通称「攻殻機動隊」)の活動を描いた物語。作中の年表は別項、攻殻機動隊シリーズの年表を参照。
・・・要するに、本当にざっくりと言えば、
第三次、第四次世界大戦を経て、科学の技術が飛躍的に進歩し、
「義体化」、つまり肉体をサイボーグ化する事が当たり前になり、
同時に、人が、自分の脳を「電脳化」し、パソコンがコンピューターネットワークに繋がれるように、脳が直接コンピューターネットワークに繋がれるようになった世界の話しです。
単純に、
「脳と身体をコンピューター化した世界」
と言えば分かりやすいでしょうか。
(「義体化」「電脳化」などの専門用語に尽きましては、後ほど別の記事にまとめます)
[su_heading size=”19″ margin=”10″]「ゴーストインザシェル/攻殻機動隊」のテーマ[/su_heading]
前述したとおり、
脳がコンピューター化して、脳が直接ネットワークに繋がれるわけですから、
“それによって起こり得る事件”としては
「ハッキング」や「ウイルス」があるわけです。
自分の脳に、他者が侵入して、情報を盗まれたり、乗っ取られたりもしますし、
自分の脳が、コンピューターウイルスに感染したりもするわけです。
こういった「電脳化」「義体化」など、技術の進歩により、
新しい問題、社会現象、犯罪、事件が起こるようになり、
その未来型のサイバーテロを解決する専門の組織「公安九課」と、
それを率いる「少佐」こと、主人公の草薙素子が中心となって、事件を解決していくという話しです。
・・・
そして、“攻殻機動隊の大きなテーマ”は
「自分とは何なのか?自我とは、ゴーストとは何なのか?」
という答えを探す。
という事だと、僕は解釈しています。
・・・
「義体化」「電脳化」つまり「サイボーグ化」によって、
いわばコンピューターと同じように、情報を脳にインストールする事が出来ますし、情報の受け渡しも出来ます。
すると、人間の間、個々の間で、情報を共有する速度が上がり、共有できる情報の量が上がり、
「情報の並列化」が進み、
「個」「自分」と言う存在があいまいになるのです。
…
さて、考えてみて下さい。
「自分」とは、「私」とは、何なのでしょうか??
…
→答えは、
「私とは、私の記憶」です。
これまで
- 教えられたり
- 見たり聞いたり
- 経験したり
- 体感したり
- 学んだり
そうやって、自らにインプットしてきた「情報」が積み重なって、
自分の体、神経、脳に蓄積されて、出来上がった「記憶」こそ、「私自身」です。
…考えてもみて下さい。
単純に、世界中の全ての人の「思い出」や「体験」を、自分が完全に共有していたら、
どの記憶が、自分の思い出か、自分独自の体験か、分からなくなるわけです。
その自分独自の「思い出」や、「体験」が無くして、
「今の自分」は有り得るのだろうか?という事です。
…分かりにくいでしょうか?
「私とは、私の記憶である」という事について、詳しい事はこのシリーズの記事に書いています。
「私とは、私の記憶である」
…しかし、“義体化”や“電脳化”の技術によって、
その記憶を、皆で共有し、並列化しているうちに、
「どの記憶が、自分自身が経験したのか分からない」という事が起こるわけです。
「この思い出が、自分の思い出なのかどうか分からない」と言うと分かりやすいかもしれません。
そして、「自分の記憶の存在」があいまいになり、
自分の
- 好き嫌い
- 感情
- 趣味趣向
- 思考などが
「本当に自分本来のものなのかどうか分からない」という事が起こるわけです。
→攻殻機動隊のテーマをまとめますと
攻殻機動隊は、
主人公の「少佐」こと草薙素子と、公安九課の仲間たちが、
未来型のサイバーテロ事件を解決するために奔走する中で、
「自分とは何か」という一番大きなテーマの答えを、見つけて行く作品です。
[su_heading size=”19″ margin=”10″]初心者が見る順番、作品ごとの違い[/su_heading]
一言で「ゴーストインザシェル」「攻殻機動隊」と言っても、
- 漫画作品
- 劇場映画作品
- テレビアニメ作品
など、数種類あり、
それぞれで、著者や監督が違い、世界観が少しずつ違います。
作品ごとの違いについて、書きます。
監督、作者別
- 漫画1989年/士郎正宗 「攻殻機動隊」
- 映画1995年/押井守監督 「ghost in the shell/攻殻機動隊2.0」
- 映画2004年/押井守監督 「イノセンス」
- テレビアニメ2002年、04年、06年/神谷健二監督 「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」
- テレビアニメ2013年~/黄瀬和哉監督 「攻殻機動隊 ARISE」
・・・もともとは士郎正宗の漫画「攻殻機動隊」から始まり、
押井守監督による劇場映画「ghost in the shell/攻殻機動隊2.0」が上映され、その後続編の劇場映画「イノセンス」が上映されました。
2002年からは神谷健二監督による、TVアニメシリーズの「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」が放送されました。
そして2013年から黄瀬和哉監督によるTVアニメシリーズの「攻殻機動隊ARISE」が放送されました。
作品別の世界観の違いと、全作品に一貫したテーマ
それぞれで世界観や、登場人物のキャラクター性など、違います。
それにつきましては、外部リンクですが、このサイトの記事が分かりやすかったです。
参考
『攻殻機動隊』の世界観・各シリーズ・順番について一番わかりやすく解説します。VOKKA
作品ごとに細かく設定が違い、
一言で言って「ややこしい」
ですが、
全ての作品に共通した、一貫しているテーマは、
前述したテーマと同じように
「自分とは何か」
と言うテーマだと思っています。
初心者が見るべき順番
- TVアニメ「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEXシリーズ」
- TVアニメ「攻殻機動隊ARISEシリーズ」
- 劇場映画アニメシリーズ
- 漫画シリーズ
の順番が良いと言われています。
アニメシリーズは、映画シリーズや漫画と比べて、分かりやすく、
僕自身は、アニメシリーズの「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」のファンです。
まだ攻殻機動隊を見たことが無い人は、アニメシリーズから入るのが良いと思います。
(※ちなみにこの記事は、アニメシリーズの世界観に寄って書いています)
[su_heading size=”19″ margin=”10″]ゴーストインザシェル実写映画版の予想[/su_heading]
4月7日(金曜)から、日本でハリウッド実写映画の「ゴーストインザシェル/攻殻機動隊」が放映されます。
この実写映画から、攻殻機動隊に触れる人も多いかと思います。
さて、4月6日現在、まだストーリの全容は明らかになっておりませんが
第3次、第4次大戦を経た21世紀の日本で、サイボーグや電脳が普及した社会の中、多岐に渡る犯罪を防ぐために活躍する内務省直属の攻性公安警察組織「公安9課」(通称「攻殻機動隊」)に所属する草薙素子と謎のハッカーを巡る物語
とだけとだけ書かれています。
キャストの中に「笑い男」または「クゼ」らしい人がいるらしいので、
TVアニメシリーズの「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」の内容も関わってくるのではないか?と思っています。
実写映画キャストと、アニメキャラの比較
●ミラ・キリアン(少佐)(草薙素子)
→スカーレット・ヨハンソン
主人公、少佐は、実写映画ではミラ・キリアンという名前で登場するようです。
●モトコ
→山本花織
実写映画オリジナルで、ストーリに深くかかわるキャラクターのようです。
●荒巻大輔(課長)
→ビートたけし
公安九課の元締め、課長の荒巻大輔役に、
なんと、「ビートたけし」が抜擢されました!
個人的には、かなり“はまり役”だと思っています。
アニメ版では、一言で言って「やばい髪型」をしているので、『この髪型の実写化は無理なんじゃないか』と言われていましたが、
かなり自然な形で、実写化できています。
●バト―
→ピルー・アスベック
まあ、はまり役とは思えませんが、
有りだと思います!
●トグサ
→チン・ハン
個人的には、「なんか違う感」があります。
アニメ版のトグサの青々しさがありません。
●サイトー
→泉原豊
日本人ですね!有りだと思います!
●パズ
可愛そうに、公安九課の中心メンバーのパズは、
実写版にはどうやら、出てきません。
アニメ版では「俺は同じ女と二度寝ない」
のセリフが印象的な、ナイフ使いです。
●ボーマ
→タワンダ・マニモ
ボーマ君、痩せたし、なんか日焼けしたね
という印象です(笑)
●イシカワ
→ラザルス・ラトゥーエル
なかなかのはまり役だと思います!
●笑い男
実写版に出るかは分かりませんが、アニメシリーズ「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」の一期の、中心人物です。
●クゼヒデオ
→マイケル・ピット
アニメシリーズ「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」の二期の中心人物です。
この実写映画版では、悪役で出るとの事。
●オウレイ博士
→ジュリエット・ビノシュ
実写映画のオリジナルキャラクターらしいです。
●トニー
→ピート・テオ
実写映画オリジナルキャラだそうです。悪役の中心人物だそうです。
●ハイリ
→桃井かおり
こちらも、実写映画オリジナルキャラだそうです。
●芸者ロボ
→福島リラ
いわゆる芸者ロボですね。
アニメシリーズ「攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX」にも登場しました。
・・・
ざっと、
実写映画の登場人物と、アニメとの比較をしました!
日本原作アニメだけに、日本人を多く起用しているように見えます。
日本語「吹き替え」の声優
個人的には「日本語吹き替えの声優さん」にも注目しています!
なぜなら、アニメシリーズの声優さんと同じ声優さんが多くあてられているからです!
主人公の少佐(ミラ・キリアン)には
声優の「田中敦子」さん
バト―には
声優の「大塚明夫」さん、
トグサには
声優の「山寺宏一」さん
などなど、
それぞれ、アニメ版で御馴染みの声優さんが、吹き替えを担当されています。
アニメ版のファンとしては、何なら吹き替えで見たいとさえ、思ってしまいます!
さすがに、ビートたけし演じる「荒巻大輔」は、
そのままビートたけしが吹き替えも担当しているそうです。
ハリウッド実写映画版の監督
ルパート・サンダースが監督をしています。
音楽担当
劇場アニメ版の音楽を担当された「川井憲次」さんや、
TVアニメ版の音楽を担当された「菅野よう子」さんが適役ではないかと思っていましたが、
ダーレン・アロノフスキー監督とのコンビで『レクイエム・フォー・ドリーム』や『ブラック・スワン』などを手がける
「クリント・マンセル」さん
が担当しているそうです。
[su_heading size=”19″ margin=”10″]最後に[/su_heading]
さて、いかがでしたでしょうか。
とにかく、「攻殻機動隊シリーズ」は、傑作です。
アニメや漫画の実写映画化は「大体失敗する」という印象がありますが、
番宣動画を見る限り
「これは、上手く行くのではないか?」と期待を持っています。
公式サイト
明日、4月7日から劇場公開です。
攻殻機動隊は、本当にメッセージ性が強く、学ぶことの多い作品です。
これから、
- 攻殻機動隊の名言の解釈と解説
- 攻殻機動隊のメッセージの説明
- 攻殻機動隊の専門用語の説明
- 現実世界との照らし合わせによる、風刺的な表現
など、
「より深く攻殻機動隊を理解する手助けとなる記事」を、順次書いていきたいと思っています!
また、このサイトまで、見に来て頂けたらと思います。
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では、読んで下さり、ありがとうございました!